らくだの感想ブログ

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わんだふるぷりきゅあ!第7話の感想:素晴らしいこむぎの成長回。よりメッセージをすっきりさせてもよかったかも。

わんぷり第7話は「ふたりのフレンドリベラーレ!」ということで、前回の第6話「こむぎ、いろはとケンカする」に引き続きこむぎがいろはとケンカしてしまったところから、仲直りして新必殺技が登場する回です。

全体的に良い演出で、絵も可愛いカットが多く(稲上さんかな?)、メッセージも深く、相変わらず良い回だなと思いました。

こむぎの成長までの流れ

前回から今回の話を要約すると:

  1. ワンダフルがタクトを使えないのは、何かプリキュアとして欠けているものがあるからではないか
  2. 実際こむぎは自己主張ばかりでいろはの言う事を聞かなかった
  3. 改めてプリキュアになった理由を考えると、それは「いろはを助けたいから」だった
  4. いろは(他者)のためだという目的を再認識することでワンダフルはタクトを使えるようになり、フレンディとの合体技も使えるようになった

以上のように読み取りました。

ちょっと混乱したのが、以下のようにいくつかのメッセージが混ざっているように見えた点です。

  • こむぎがプリキュアになる理由はいろはを助けるためである
  • 自分勝手な主張だけではなく相手のことなども考えるべきだ
  • 言葉で相手の気持ちを聞くことが大事だ

最終的には「プリキュアになる理由」が重要だったと思われます。それはこむぎがライオンのガルガルを前にして再度変身を決意をする場面で描かれていたので確実でしょう。そして前回のこむぎの描かれ方およびケンカの原因はこむぎが自分中心に主張ばかりをしていたためです。もしこの2つだけであればまだ「自分のことばかり考えず、いろはのことも考える」という点が共通しているので、全体的に一貫性を持っているなと感じられたと思います。

しかし気になったのは「言葉で相手の気持ちを聞くことが大事だ」という点です。つまり、こむぎがいろはと再度会おうと決断するきっかけとなった以下の悟の言葉です。

犬飼さんがこむぎちゃんのことどう思っているのか、本人に聞いてみなよ。言葉はね、自分の気持ちを伝えるだけじゃない。相手の気持ちを聞くこともできるんだよ。

すごく大事なセリフとして良い演出で描かれていました。これは「いろはに嫌われてしまった」というこむぎの思い込みを払拭するために大切なことだと思います。さらに深読みをすると、自分勝手な主張ばかりではなくいろは(相手)の言葉や気持ちも聞いてあげて尊重する必要があるという、他のメッセージと繋がるような意図を込めることも可能なものだったと思います。しかしそれであれば「いろはに嫌われた」ということに対してこの言葉をかけるのではなく、散歩のときや前回の戦闘のときにいろはが怒った背景を話し合って聞く、とするべきだったと思います。そうでないと、あくまでこむぎがいろはの所に行く理由としてしか使われていないようになってしまいます。

実際はそれもありだと思いますが、それであってもこむぎがいろはのところに着いたとき、いろはの気持ちを聞いてこむぎの不安を払拭するというシーンが必要だったと思います。それが無かったので、あくまで悟とこむぎのシーンで良い感じであったにも関わらずストーリーの展開上やテーマの描写上でどういう立ち位置のメッセージだったのかが非常にわかりづらくなってしまいました。

あるいは、こむぎが自分勝手さを自省して成長するというのが根幹であるため、いっそ言葉を聞くべきという件は下手に混ぜない方がよりメッセージが明確になってスッキリしたのだろうなとも思いました。言葉を聞くことが大事だというのはこむぎが言葉を話せるようになったという要素と上手く絡めることができる良いテーマですので、もし可能であれば今後改めてこれをメインテーマにした回などがあると良いなと思いました。

悟と大福の関係

今回のメインのストーリーではないですが、重要そうな描写として悟と大福のシーンが多くありました。特に「大福がこむぎを通じて悟に意思を伝えた」ことはすごく大きな出来事だと思います。私は将来的に悟と大福が直接コミュニケーションを取るようになる伏線ではないか?と思いました。つまり、大福がこむぎ(およびゆき)と同じように人間に変身し、もしかしたらプリキュアにも…?ということです。さらには…悟も…?

どこまで行くかはわかりませんが、少なくとも大福が重要なキャラクターになっていくことは間違い無さそうです。悟も今はなかなか完璧な人としていろはからも尊敬されるように描かれていますが、以前にはいろはから頼られていないかと不安になったり(第3話参照)、今回も大福がマブダチだと言ってくれたことに顔が緩んでしまうなど、意外と感情豊かな面があります。今後悟の成長ストーリーなども描かれるのではないかと思いますし、大福との絆を描いたり、さらにはプリキュアに変身してしまうということも十分ありえるのかなと思います。

顔がゆるむ悟

大福にマブダチと言われた悟

とうとう敵の黒幕が登場?

今回はガルガルを再び呼び起こし人間にけしかける謎のキャラクターが登場しました。

ガルガルを呼び起こす謎のキャラクター

ガルガルを呼び起こす謎のキャラクター

今回出てきたキャラクターが敵のボスなのか、幹部の一人なのか、など細かいことはまだわかりませんが(個人的には後者かと思いますが)、今作の戦闘などについて以下で考察したとおりそろそろちゃんと敵が登場するようですね。

rkd3.hatenablog.jp

ここから、相変わらず動物が直接変身したガルガルが相手となり続けるのか、殴ったり蹴ったりしても問題無い別の怪物が出てくるのか、行く末が気になります。

余談

前回の感想ではこむぎ回でありながらいろはにも反省点があるように思えてならないという旨を書きました。

rkd3.hatenablog.jp

が、やはり今回見てみると制作側の意図としてはこむぎのみが反省して成長する回だったようですね。うーん、やはり子供とは見方が違ってしまうという、アンコンシャスバイアスですね。難しい。。。

まとめ

今回はこむぎといろはのケンカを上手くまとめて合体技まで持っていく重要な回でした。それに見合う深いメッセージや良い演出などで、今シリーズの完成度の高さを実感しました。

ただ(良い回であればあるほど細かいところを言いたくなってしまう残念な性格なのですが)「言葉は自分の気持ちを伝えるだけじゃなく相手の気持ちを聞くこともできるんだ」というめちゃくちゃ良いメッセージをより活かした回になってくれたらもっと良かったのにな、と思わずにはいられませんでした。(そうやって惜しいと思えるくらい良い回でした。完成品を見て批評するのは簡単ですからね。)

合体技も登場し、敵キャラクターもシルエット登場し、さらに次回からは二人変身バンクの登場も示唆され、どんどんと楽しみが増えていきます。何より来週は猫屋敷まゆが学校へ行くという、これまで積み上げた伏線を大放出する回かもしれません。毎週毎週楽しみでたまりませんね。