らくだの感想ブログ

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わんだふるぷりきゅあ!第21話の感想:話もギャグもハイレベルな話

わんぷり第21話は「まゆとユキのスクールライフ」。ゆきが初めて学校に行く話です。

全体として話の展開やセリフまわし、構図や動きなどいろいろな面でハイレベルな回だと思いました。

まゆの過去の深堀り

まゆの過去は以前からずっと伏線が張られてきました。しかし第8話のまゆが学校に行く回ではまゆの成長や過去との対峙がしっかりと描かれずあっさりと終わって非常に残念でした。

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しかし、なんとここに来てまゆの過去が明かされる回でした。これは驚きです。しかもこのクオリティでやってくれて、ユキの初登校&ユキとのわだかまりの解消というテーマも同時に消化していました。そこに関しても、ユキのこれまでの「過保護な親」感というか、若干悪者感があったところを、それはまゆの過去の出来事があったから仕方なかったんだと視聴者もちゃんと同情して納得できる理由付けでした。その点でもものすごく完成度が高い。スタッフの腕がかなり発揮された回だったと思います。

面白い数々のギャグ

冒頭からずっと笑えるシーンが多くありました。しかもちゃんと面白い。余計なセリフが無いのでなおさらハイコンテクストな笑いが表現されていました。タイヤのところとかすごいですよね。しかも普通にタイヤの流れいらないし。個人的には「あのパンダ…寝相が悪い…!」が一番笑いました。

またちょっと関連して、ガルガルとの戦いのワンパターンさに挑んでいた回でもありました。しかもちゃんと面白く仕上げていたというのも素晴らしいと思います。

ユキの絶妙なポンコツ具合

プリキュアでは後から仲間になるクールキャラは仲間になって日常生活を送ってみると意外と非常識で何もできないポンコツだったりします。ユキも今回のアバンでは非常識ぶりでまわりを驚かせていましたが、本編が始まってみると何でもできる天才で美しい描写がメインになっていました。勝手な想像ですが、後半のシリアスなシーンに向けてユキの打ち解けられていない堅さを表現するのに一役買っていたかなと思います。あまりポンコツすぎると真面目なことを言っていても入ってきませんし、本人は頑なでもまわりがユキをかわいいやつだなと思ってしまっては台無しです。導入でユキの意外性を見せつつ全体としては重要な話や演出に向けてきちんと準備していたというのは上手いと思いました。

その他

  • なにげにニャミーとリリアンの合同変身シーンのお披露目でした。美しいですね。
  • そもそもまゆとユキのカットが大量にありました。美しいですね。
  • ニャミーのキラリンアニマル召喚も初でした。しかもキツネを使うポーズまでしっかり作られてましたね。やはり気合いの入った回でした。

脚本:井上美緒

演出:手塚江美

作画監督:赤田信人、美馬健二、上田由希子

美術:戸杉奈津子