わんだふるぷりきゅあ!第20話の感想:ユキの参画と合体技登場で話がこんがらがってしまったかも
わんぷり第20話は「二人ならこわくない」。ユキ(キュアニャミー)がこむぎたちと打ち解けて協力するようになるとともに、キュアリリアンとの合体技がお披露目された回です。
ユキが今まで頑なに拒絶してきたこむぎたちとの協力(つまりニコガーデン復旧への協力)ですが、なんだかあっさりと受け入れてしまったなという感想を抱きました。
私なりの今回の話の理解
冒頭では、まゆたちがニコガーデンに行くからユキも一緒に行こうと誘うも、ユキは突っぱねるとうシーンでした。これはこむぎたちと馴れ合うことを拒否しているという今まで通りの構図です。ちなみにニコガーデンのアニマルたちをガルガル化から救うことも、馴れ合うということとほぼ同じように拒否することが描かれてきたので、ここは今回同一視してよさそうです。
Aパートで結局ユキもニコガーデンへ行きますがユキの態度は相変わらずです。転機が訪れるのはユキがひとりで歩いていたときにシカのキラリンアニマルと出会うシーンでした。そこでキラリンアニマルが言っていたのが、自分でも嫌なのに暴れてしまうという話と、ひとりで苦しかったという話です。ここでユキの心が動きます。暴れることが実はつらかったというところでユキがキラリンアニマルに少し同情し、さらにキラリンアニマルがひとりで苦しかったことがユキがまゆに出会う前にひとりでつらかった過去と重なるわけです。ここから、ユキは過去の自分と同じようにひとりでつらい思いをしているキラリンアニマルたちを救いたいと思うようになります。
と、こう書くときれいな話には見えるのですが、実際に見ていると全くよくわからない話に思えてしまいました。
気になった点
まずユキがキラリンアニマルに会うあたりでまゆが「ユキは大勢の中にいることに慣れていない」から「この状況、どうしていいかわかんないんだと思う」と話すシーンがありました。これ、一体なんだったんでしょうか。今回の話の肝は上で書いたとおり「ひとりで苦しい思いをしているキラリンアニマルを助けたいと思うようになる」という話です。それで十分なんです。輪に入れないというのはなんなんでしょうか。そもそもまゆの勝手な憶測で、実際ユキの様子を見ても全くそのようには見えません。本当になんだったのか。
同じように、まゆとユキが一緒にキラリンアニマルに歓迎されるパーティの場面も謎でした。まゆがいつもよりリラックスしているようだというユキとのやりとり、キラリンコジカの焼いたせんべいを食べるシーン。いや…本当になんだったんだろう…。
あとは細かいかもしれませんが、ニャミーがガルガルからビームを打たれたときにリリアンが咄嗟にすごい力を発揮して守りました。ニャミーを守りたいという強い思いでリリアンは信じられないくらいの力を出せた。合体技を出すために盛り上げるシーンであるとは思うのですが、今回の話とあまりに関係なくてびっくりしました。
勝手に推測してみると、まゆとユキの絆のようなものを改めて描きたかったのでしょうか。今回は合体技登場の回なので大事だという判断だったのかもしれません。ただ、本当に今回の軸となる話題とは全く関係無いですし、こういったシーンが散りばめられていたことが今回の話がよくわからないと感じられてしまう原因となったんだろうと感じました。
また、さらに欲を言えば、このシーンを削ってでもユキがもう少しキラリンアニマルを救いたいと思って当然だと視聴者が思えるようなシーンや演出があるとよかったなと思いました。今まで散々ユキがこむぎたちを拒絶してきたわりに、今回かなりあっさりと懐柔されてしまったなという印象でした。具体的な案は無いので完全に勝手な素人意見なのですが、そう思わずにはいられないくらいあのシーンが無駄だったように感じてしまいました。
その他
- アバンではまゆがユキと一緒に行きたいとごねることでユキが仕方なく折れるという若干コミカルな描かれ方をしていました。これは今後もたびたび使えるネタかもしれませんね。
- まゆがユキを置いてガルガルのところに行くシーンでまゆが言った「今日会ったニコガーデンのアニマルたち、私はあの子達を助けたいの。私、プリキュアだから!」というセリフ。これだけでもとても熱く良いセリフで、さらにユキがキラリンアニマルを助けるようになるきっかけとしてもとても良かったですね。とはいえ今作ではユキはまゆを守ろうという気持ちだけでプリキュアになっていますし、あまりプリキュアの使命といったような話は相性が悪いかもなと思いました。
- 合体技登場の回でしたが…作画はそこまででした(失礼)。というかキュアニャミーの変身バンクが神過ぎて…それとどうしても見比べてしまうのがよくないですね。まあこのメリハリもプリキュアの醍醐味かなとも。
- 次回予告は作画・演出が良い雰囲気を出していて既にとても楽しみです。
脚本:香村純子
演出:小川孝治
作画監督:上田由希子、片山敬介
美術:徐 柱星