わんぷり第14話は「まゆ、はじめてのお泊り」。まゆがいろはの家にお泊りします。
前回の次回予告からすでに楽しみでしたが、今回も猫屋敷まゆちゃんの感情の揺れ動きが多く見られてとてもかわいいと感じる回でした。しかしそれだけではなく、まゆとユキの関係の深さ、まゆといろはの関係の変化、そしてまゆが自分から言葉を発して内面を見せることができるようになったという、まゆの成長を強く感じるすばらしい回でした。
ユキを本気で心配するまゆ
冒頭ではまゆがユキの体調不良を見てとても心配になる姿が強調されていました。まゆがユキを本当に大事に思っているということがよくわかる描写でした。ユキとの出会いや普段の交流をずっと描いてきたからこそこれだけ強く動揺して本気で心配する姿にもとてもしっくり来ますね。
そんなまゆを見てお泊りの提案をするいろは。やはりいろはは聖人ですね。
お泊りで元気づけるというのもそうですし、ユキの容態が急変してもすぐに先生に診てもらえる環境であるというのも兼ねていて、本当にどれだけすごいんだと感動します。
お泊り提案に悩むまゆと後押しするユキ
いろはのお泊りというナイスな提案に対し、まゆは一気に悩んでしまいます。
ここで「わ〜ありがと〜」と受け入れて甘えることができずこれだけ本気で悩んでしまうところに、人付き合いに慣れきっていないまゆの性格がよく表れていましたね。
そしてそんなまゆの様子に勘づいて手を伸ばすユキ。
迷って悩むまゆに勘づくユキと、そのユキの思いを言葉無しに受け取って勇気づけられるまゆ。この二人の深い関係性がよく伝わるすごく良いシーンでした。
まゆの渾身の「私もすごく楽しかった」
ここもすごくいいシーンでしたね。私にとっては今回の一押しです。
ご飯を食べて、お風呂に入って、アイスを食べて…。お泊り会を存分に楽しんだ後の就寝時、こむぎがはしゃいで寝てしまったという話を聞いて、まゆが急に悩みだします。何かと思えば「ありがとう」と伝えたかったんですね。
いやーここはめちゃくちゃ感動しました。
ユキのことで不安になっていたことを気遣ってもらい、いろいろと楽しい時間を提供してもらって、ここで言わないとと思ったんですね。本当にまゆちゃんは良い子です。
しかも楽しかったというお礼だけではなく、今までお泊まりをするような友達がいなくて初めてで不安だったこともしっかりと自分の言葉として伝えています。今まではいろはやこむぎたちに対してそういった面をはっきりと言葉にすることは無かったかと思いますが、今までの交流やお泊りを通して、ここまでいろはに心を開き、かつまゆ自身もしっかりとそういった面と向き合って言葉にすることができるくらい成長したということですね。
そう思うとなんだかまゆちゃんのお父さん目線になったみたいに、まゆの成長を感じて泣けてきちゃいます。素晴らしい。
役に立ちたいと言うまゆ
まゆの成長を感じたのは就寝時の件だけではありません。プリキュアになって戦うワンダフルとフレンディに駆け寄って発した「私も二人の力になりたい」という言葉です。
ここも一瞬の回想があったように、まゆがいろいろと助けられたことをしっかりと認識した上で、昨晩のように「ありがとう」と伝えるだけではなくもっと自分から積極的に「助けたい」と思ったんですね。まゆがぐいぐいと成長してここまで自分の思いを出すことや助けられるばかりではいけないと思って自分から発言できるようになったのは感慨深いものがあります。
ただ、ほんの数時間の間だけしか経ってないのに急成長すぎやしないか?とは思いました。まあ昨晩から成長したのか、すでに成長した結果だったのかはわかりませんが、ただそれであれば昨晩のありがとうのシーンとどちらかにマージしてもよかったかなとは思います。つまり、布団でのシーンでまゆの成長の描写は終わりにして、戦闘後に「いろいろと気遣ってもらったこと」と「プリキュアとして頑張っていること」を認識したことを踏まえて改めて「二人の力になりたい」と落ち着いて言葉にするくらいでもよかったのかなと。
感動的なシーンの連続でテンションは上がりますが、ちょっと連続だったので気持ちが乗り切れないとクドいなと感じてしまうかもしれません。
その他
- こむぎちゃんがこむぎちゃんになった、はちょっとクスッとしちゃいました。それにしても、猫屋敷まゆちゃんに変顔をさせるのは流行ってるんですかね(笑)
- こむぎが発した、まゆもプリキュアやればいい発言。視聴者としては大人しく待ってるのに、お前が面と向かって言ってまうんかい!という、メタなギャグかと思いました。
- この流れからの次回予告で、メエメエの小間使いにされているのもすごく面白かったです。ただメエメエは最近セリフつきで登場してませんでしたが、その間もあの二人にニコガーデンの命運を任せながら、一人黙々と様々な仕事をこなしていたのかと思うと涙が出てきますね。そのあたりの悲哀が次回語られるのでしょう。楽しみです。
脚本:香村 純子
演出:広末 悠奈
作画監督:玖遠 らぎ
美術:鈴木 祥太
絵コンテ:中村 亮太